さようなら、そしてありがとう

6月15日

〈桜雅〉

姫奈が倒れてから1週間がたった。

相変わらず姫奈は学校を休んでいる。

まだ体調が優れないらしい。

俺達桜雅は暴走族だけど、いい暴走族だ。

困っている人のために戦う。

警察からも保護されているので、他の暴走族との関わりが全然ない。

しかも、警察に保護されていて、クラスメイトとも仲良くできている。

そんなときに、警察からの依頼があった。

それは…日本一の暴走族集団『流星』の倉庫をからにしてくれ、と

『から』とは、潰せということ。

奴らは最近この町に倉庫をつくり、町を荒らしている。

警察沙汰になることも、しばしば。

今まも桜雅は、警察から依頼を受けることはあったが、『潰せ』と言われたのは初めてだ。

俺は正直迷っている。

姫奈が倒れたばかりだからだ。

潰しにかかるなら、全員参加だから姫奈の側に誰もいれなくなるから。

光「受けろ」

相馬「でも…」

光「雫といれば、大丈夫だろ。」

相馬「なんで雫のこと、知ってるんだよ」

光「朝陽に聞いたんだよ。最近雫と仲がい
いって。それに、雫は俺の幼なじみ
だ。知ってて当たり前。」

相馬「そっか。なら、雫に頼むわ。」

そして、流星を潰しに行くのは2日後に決まった。