「ゴホッゴホッ。あー、だる」


ソファに座りながら、怜が言う。


「寝てなって」


「そこまでじゃねーし」


そんなこと言って、頑なにリビングから出ようとしない。


自分でも気づいてると思うけど、どんどん顔色悪くなってるよ。


怜が嫌がることはしたくない私は、無理やり連れてくことも出来ずにいる。


もっと、はっきり言えるようになればなぁ。


「涼音、水ちょうだい......」


バタッて音がして、怜が倒れた。


「えっ、怜!」


とりあえず部屋に連れていこうと、持ち上げるけど、そこから動けない。


「怜......。歩ける?」


ギリギリ意識があるみたいで、私を支えにして歩いてくれた。


部屋のベッドに寝ると、そのまま眠ってしまった。


ほんと、無理するから......。