「見るのは涼音だけだろ?」


「え、怜、試着みてくれないの?」


てっきり、一緒に見てくれるものだと思ってた。


「お前なぁ......。ダメなものはダメだから」


揺るぎない瞳を見て、それ以上言うのはやめた。


「でも、水着は一緒に選んでくれるよね?」


「しょうがねーな」


ということでやってきた水着売り場。


可愛い。


編み上げのおとなっぽい水着とか、フリルの着いたガーリーなのとか。


「涼音、なんで一目散にビキニなの?」


「え?高校生になったんだし、いいじゃん」


「そうか......」


大人になったな、とでも言いたげな表情に笑ってしまう。


「なーに笑ってんだ」


「んーん。なんでもない」


まだちょっと、怪訝そう。


「あ、あれ可愛い!」