そう言うと、眠そうな目で嬉しそうに笑った。


「ありがと」


「うん」


まだまだ、私の知らない怜の表情があるんだなぁ。


ちょっとさみしく思いながら、嬉しくなる。


そんな複雑な気持ちに沈んでいると、ピカっと外が光った。


少しして、ゴロゴロと唸るような音。


「......雷」


怜が呟いた。


「涼音、大丈夫か?」


「だい、じょうぶ」


じゃない、全然。


怖くて動けない。


大きい低い音と、突然の光。


怖いもの以外のなにものでもない。


「じゃあ、俺ちょっと部屋行ってくるわ」


「え、やだ......」


怜がいない間に大きいの来たらどうするの......!


「涼音......」


服の裾を握った私に少し驚いた顔してる。