「え?」


第一声、それ。


「旅行行ってくるから、怜くんと仲良くね」


ママ?


「怜くんと仲良くな」


パパ?


「1週間、怜の家で、同居?」


「そうよ。怜くんなら安心だし。旅行の計画立ててくれたからって、涼音のために1部屋用意してくれて」


平然と言ってのけた母を見つめる。


ちょっとだけ、ありえないって思ってる。


「それに、怜くんなら一通りの家事もできるだろうしな」


うん、そうだと思う。


「てことで、空港行くぞ」


パパぁー。


私も旅行行きたかった......。


夏休みだから、授業もないし。


「涼音、ごめんな。ペアチケットが2つなんだ」


意地悪。


「まあ、怜と一緒だし大丈夫。2人で楽しく過ごすよ」


「ああ。お土産いっぱい買ってくるからな」


「涼音、ファイト」