「涼音、困ったことがあったら、なんでも言ってね?」


見惚れるぐらいの笑顔で、美奈が言う。


「うん!」


友達の、優しさを知った。


教室に戻ると、1人、クラスの女子ほとんどに囲まれてた。


「え、なにごと?」


「さあ......。不穏な空気はないけど......」


不思議に思いながら、近づこうとすると、その中の一人が私たちを呼んでくれる。


「聞いて、今日、この子、三上先輩に告白するんだって」


......。


全身が冷たくなった。


「え、あの先輩に?」


私の代わりに美奈が細かいことを聞いてくれる。


今日の放課後、私のクラスの子が怜に告白するらしい。


なんて、重たい言葉なんだろう。


怜は、モテる。


でも、誰かと付き合ったことはない。


だから、私が一番近くで甘えられてた。