涼音を抱いて部室前に行くと、待っていたらしい拓馬が涼音を見て唖然とした。


「え、怜、ついに......」


あらぬ疑いをかけてくる拓馬に俺と涼音のカバンを持たせて、涼音の家まで歩く。


帰り道、絶対に大きな声を出さないと約束して事の顛末を話した。


拓馬は、黙り込んで何かを考えていたが、何かを思いついたようにニヤッと笑っていた。


「なあ、2年のマネージャーって、お前、いて欲しいか?」


「涼音だけでいい」


「じゃあ、俺が何とかしとくよ」


多分、退部だろうな、あいつ。


涼音の負担はだいぶ増えるだろうけど、俺がいくらでも手伝ってやる。


拓馬は、本気でやる目をしてる。


涼音に目かけてたもんな。


「怜、涼音ちゃんのことそんなに大事なのに、付き合わねーの?」