マネージャーの口から聞かされた場所は、もう誰も使ってない倉庫だった。


俺も行ったことない場所。


さっきまで、嫌な予感に心臓がバクバクしてた。


今は、もっと早く動いてる。


「涼音!」


倉庫の前で叫んでみれば、空耳か、名前を呼ばれた気がした。


「涼音っ!」


ドアを蹴破って中に入ってみれば、涼音が倒れているのが見に入った。


「涼音!」


「怜......」


抱き起こして名前を呼べば、弱々しいけれどはっきり俺の名前が呼ばれた。


「よかった、無事で......」


鈴音を抱いている腕と反対の手で、頬に触れる。


涼音がいるっていう、実感に安心した。


「大げさ、だよ......」


少しだけ笑って、涼音は言った。


俺も微笑み返そうとしたら、涼音は、俺の腕の中で眠っていた。