どれだけの時間が経っただろう。


頭痛と吐き気、熱っぽさで身体が動かない。


誰か、助けて......。


「怜......」


そうつぶやくと、本当に怜の声がした気がした。


ついに、空耳までき声出しちゃったよ。


「涼音!」


外から、怜の声がする。


「れ、い......」


聞こえるわけない小さな小さな声。


でも、その声が届いたみたいに怜はドアを蹴破って入ってきた。


「涼音!」


こんな焦った怜、いつぶりだろう。


「......怜」


「よかった、無事で......」


本当に安心した顔、してる。


「大げさ、だよ......」


そう言うと、私は意識を手放した。