「涼音、大丈夫だから堂々としてろ」


段々俯きがちになっていた顔を怜の言葉であげる。


「ん、心配すんな」


怜は、いつもこうやって声をかけてくれる。


これだけ厳しい目を向けられても怜との登校をやめないのはこれに救われてるから。


「あ、怜、はよー」


いつもとおんなじように明るい声がした。


「はよ」


「相変わらず冷てーな」


そう言いながら笑ったのは赤野 拓馬(あかの たくま)先輩。


中学の時から怜の友達で私もずっと顔見知り。


とにかく元気、そして鋼のメンタルの持ち主。


私だったら落ち込んじゃうような言葉も拓馬先輩は笑った吹き飛ばしちゃう。


見習いたいなって思うくらいのポジティブさ。


「涼音ちゃん、おはよ!」


隣にいる私にも笑顔で挨拶してくれる。