「過度なのは、ダメだぞ」


「はぁい」


こんなお兄ちゃんみたいなことを言われても、気にならなくなったなぁ。


ご飯を食べ終わって、私は、ココアを。


怜は、コーヒーをベッドで並んで飲んでる。


「なあ、涼音、これ」


差し出されて、じっと小さな箱を見つめる。


「開けて、いい?」


「開けて」


細身のリングが2個。


「左手、出して?」


手を出すと、薬指に付けられる。


「卒業祝い。それと、涼音に他のやつが近づかないように」


「私も、つけていい?」


怜が出した左手の薬指にリングをつける。


「......怜に他の女の人が近づきませんように」


祈るように言うと、マグカップを置いた怜が私を抱きしめた。


「ココア、こぼれちゃう」


そう言うと、怜は私の手からマグカップを奪って近くの机に置いた。