あの事故から、2年後。


昨日は、私の卒業式だった。


怜は、自分の引退の大会で復帰し、準優勝だったけどMVPを取った。


朝、お泊まりセットを持って怜の住むアパートへと向かう。


「う、酔った」


電車に乗っていったら、ちゃんと電車酔いをした。


今までの怜の大切さを確認しながら、駅で待っていると、水を頬に当てられた。


「冷たっ」


「へへっ。涼音、卒業おめでとう。はい、酔ったか?」


「ナイス。大正解」


水を受け取って、飲むと少しだけ楽になった。


「どうだ?」


「だいぶ、楽」


「よかった」


見上げた怜は、茶色に髪を染めていて、大人っぽかった。


周りの人が、チラチラ見てる。


「髪、すぐに染めるもん」


彼女なのに、なんだか、悔しい。


「どうした、突然」