「......ごめんなさい」


私は、どれだけのことをしてしまったのだろう。


「涼音ちゃん、謝らないで。私たちは、あなたのせいだなんて思ってない」


「でも......」


「そんなに自分を責めちゃダメ」


「母さん、1回、2人きりにしてくれるか?」


怜が、そう言った。


「ええ。2人で、ゆっくり話して。私たちはここのカフェでお茶してるわね」


ドアが閉まる音がして、怜が口を開いた。


「なんて顔、してんだよ」


「ごめんなさい。怜......」


もう、怜の顔が見れない。


「涼音......」


「私のせいで......。私が、いたせいで」


「涼音」


「私が、いなければ、こんなことにならなかったのにっ」


「涼音!」


低く、怒鳴るような声にこの場を立ち去りたくなる。