「いいから、座ってろ」


譲ってくれず、渋々イスに腰掛ける。


ココアを作ってくれた怜が私の向かいに座った。


「ありがと」


「ん。熱くない?」


「平気」


いくつ下だと思われてるんだろう。


ちょっとモヤっとした時、チャーハンの出来上がる音がした。


「熱っ」


「え、だいじょーぶ?」


「全然。驚いただけ」


嘘。


指、真っ赤だもん。


「ちゃんと、冷やして」


怜からしたら、やっぱり私は強がらなきゃいけないくらいに頼りないの?


「何怒ってんだよ?」


ニヤニヤと面白がってる声がする。


「んーん。自分のことは、大事にして欲しいだけ」


ここで拗ねても、しょうがない。


「ごめんって」


水道の音がしたから、私も普通に戻る。


なんか、今日の情緒、不安定。