私が断れないの知ってて、わざと怜から遠ざけるようにしたり。


大変な仕事は、私にお願いしてきたり。


でも、部員の人と関わる仕事は、愛先輩が率先してやったり。


「でも、大丈夫ですから。被害はありませんし」


ちょっとだけ、疲れが溜まるだけで。


「ほんと?」


自分から言ってしまったからか、本気で心配そうな拓馬先輩に笑ってうなずいた。


「はい」


「そっか」


そう言ってやっと笑った拓馬先輩を見て安心しながらも、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


しばらく歩けば、怜と2人きりの時間。


今日は、いつもと雰囲気が違う。


「涼音」


名前を呼ばれただけで体が跳ねるのは、何を聞かれるか、何となく察してるから。


「さっきのこと、詳しく聞きたいんだけど」