考えるのをやめて、怜が話し続けてくれる。


「そういえば、怜って電車でよく喋るよね」


「あー」


あれ、なんか言いにくそう。


「涼音が、酔わないために、な。話してたら、気が紛れるだろ?」


「......うん」


私のことを考えてくれてるのが嬉しくて、その幸せを噛み締める。


「何にやけてんだよ」


「嬉しいなぁって」


「普通だろ」


「んーん。普通じゃない」


「そ?」


「うん」


長年の謎が解けて、嬉しくなったところで動物園に着いた。


「ねえ、何見る?」


「涼音は、何見たい?」


「んー......」


どうしようかな......。


くるっと周りを見渡すと、1つの看板を見つける。


「ふれあい動物園、行きたい!」


「ああ。行こ」