電車に乗ると、席が一つだけ空いていた。


「涼音、座っとけ」


「いいよ。怜が座って」


「バカじゃねーの。酔いやすいやつは、大人しく座っとけ」


そう言われたら、座るしか無かった。


その前に怜が立つ。


「ねえ、今日ってどこ行くの?」


「動物園。昔から、好きだっただろ?」


覚えててくれたんだ。


「うん!」


嬉しくなって、繋がれている怜の手を強めに握る。


「その後、泊まってくよな?」


「......うん」


今朝、あの下着を付けれるに準備してみた。


つけた自分を鏡で見たけど、なんだか恥ずかしくなるくらい大人っぽかった。


怜、なんて思うかな......。


って、まだそういうことをするって決まったわけじゃない。


早とちりしちゃうとこだった。