「はい!」


もう一度、頭を撫でられる。


怜にそっくりなお父さんの顔が優しく笑っていた。


「父さん......」


そんな穏やかさとは、真逆の怜の声。


「怜、怖いぞ」


「その手、離してよ」


「ああ、そう言えば、怜が昔から涼音ちゃんにこれをすると怒ってたなあ」


「父さん」


私の頭から手が離される。


「わかったよ。これからは、しないから」


「絶対にな」


「嫉妬は怖いな」


嫉妬......。


なんだか、嬉しい。


「おまたせ、行こっか!」


そんなこんなしているうちにママとパパが家を出ようとする。


「あ、待ってください」


怜がそれに続こうとする2人を含めた4人を止めた。


「涼音のお父さんとお母さん。俺、涼音と付き合ってます」