「電話切れたから、なんかあったのかと思って
......」


そんなことで......。


嬉しくなるけど、素直に喜んじゃいけない。


「ありがとう。ごめんね、心配かけて」


できるだけ、落ち着いた声で言った。


「涼音、聞いて欲しいことがあるんだけど」


怜の言葉に全身が冷たくなる。


愛香さんと婚約したって言われるのかな。


もう、幼なじみでもいられないって言われるのかな。


「聞きたくない」


気づけば、そう言っていた。


「涼音......」


怜が近づいてくる。


「こ、来ないで......。お願い......」


「なんで?」


「え......」


「なんで、嫌がる?」


「......」


答えられない。


「俺の事、嫌いになった?」