「俺たちのおじいさん同士が、兄弟で仲良すぎた結果、孫を結婚させようとなった」


寸分違わない、怜と愛香さんの話。


私は、もう、諦めなきゃいけないのかな。


怜と、もう、一緒にいちゃ、いけないのかな。


「涼音」


呼ばれて、顔をあげる。


「俺は、許嫁なんて、ないものだと思ってる。涼音とずっと、一緒のつもりだから。
いや、ずっと、一緒にいるから」


「怜......」


そう言うと、怜は私の頭を手を置いて、安心させるように撫でた。


「大丈夫だ、俺が、なんとかする」


「怜、困ったら、頼ってね。力不足かもしれないけど」


その手を両手で包んで、笑った。


「ああ、絶対に」


2人で手を握りあって、頷きあった。