「ん......」


目が覚めると、暗いトンネルの中だった。


雨が降る音がする。


「さいあく」


傘、持ってないのに。


「どうしよう」


どうしようも何も、帰るしかない。


「よしっ!」


気合いを入れて、家まで走った。


家に入ると、すぐに着替えた。


1人でお昼ご飯を食べて、午後の時間を過ごす。


何より、さっき見た夢が頭から離れない。


怜と愛香さん。


お似合いだもん。


ただの親戚といえども、愛香さんが怜のことを好きなのは確実。


そんな可愛い子に好意を寄せられたら、いくら怜でも嬉しいよね。


「はぁ......」


止むことの無いため息。


嫌な気持ちも全部、吐き出せたらいいのにな。