「ねえ、デート、しようよ」


学校が始まって1週間。


明日は、珍しく部活のない土曜日。


代わりに、日曜日だけど。


「いいけど......。朝陽くん、毎日予定、キツくない?」


「俺は、涼音と入れれば嬉しいから全然平気。涼音は?」


「私も、大丈夫」


そんな会話とともに、私と朝陽くんのデートが決まった。


「ねえ、涼音、ほんとにいいの?」


その会話を隣で見ていた美奈に言われる。


「うん......」


「涼音、全然楽しそうじゃない。怜先輩に彼女がいたって、関係ないじゃん」


美奈は、一連の出来事を全部知ってる。


怜とのケンカも、朝陽くんとの事も。


「関係、なくないの」


「え?」


「怜に彼女が出来たら、この想いは、もう忘れようって、決めてたの」