歩く人によって、こんなに気分って変わるんだ。


朝陽くんと一緒がつまらないわけじゃない。


気は、許してるつもり。


でも、上手く言葉が出てこない。


「でさ......。涼音?」


「あっ、ごめん、ぼーっとしてた」


怪訝そうな朝陽くんに笑う。


「鈴音ってさ、すぐ謝るよね」


「えっ?そう?」


「うん。無意識かもだけど」


「うん。無意識」


「......」


あ、私で会話、終わっちゃった......。


「あ、そういえば」


朝陽くんが会話を繋げてくれる。


私が気を使わないように、ずっと話しててくれる。


申し訳なさと感謝を感じるけど、それを言葉にできない。


代わりに、繋がれた手をぎゅっと握った。


すると、返される温もりに温かさを感じた。