ピンポーン。


数日後の始業式の日、家のインターホンを鳴らしたのは朝陽くんだった。


「涼音!おはよ!」


出ると、嬉しそうに目を輝かせてる。


「おはよう」


朝陽くんにあいさつをすると、その奥に怜が見えた。


あの日から、怜と話してない。


さらに、部活で朝陽くんとの関係が広まっちゃったせいで、余計に話しづらくなってしまった。


話したい。


怜と、ゆっくり、2人で。


「怜くん、見てる?」


朝陽くんがどこか切なそうな顔で聞く。


「あ......。ごめん」


「行こ!」


ニコッと笑って、朝陽くんが言う。


なんで、こんなにも話したいことが出てこないんだろう。


怜とのいる時は、いつでも話したいことだらけだったのに。


そう考えながら、いつもの道を歩く。