「聞くか?」


「うん。知っときたい」


「じゃあ、話す。


俺があの子をお母さんに送り届けたあと、涼音が来ねーから、見に行ったんだ。


そしたら、ちょうどすい中に倒れてくとこが見えて、助けに行ったら、水飲んでるし、気ぃ失ってるし。


俺の心臓、止まるかと思った」


一瞬、辛そうに顔を歪めた怜に思い出させたことをちょっとだけ、後悔した。


「で、ここに運んで、今に至る」


よっぽど恐ろしかったらしい。


私の手をずっと握ってる怜の手がずっと震えてる。


「ほんとに、良かった。目、覚まさなかったらどうしようかと......」


「怜、大丈夫だよ。私、昔から、丈夫でしょ?」


いつも、風邪を引くのは怜だった。


「......」


そんな言葉は、怜の顔を余計歪めただけだった。