ましゅまろ


目標体重を決めた。1~2ヵ月で3キロペースで落とせるように。

朝必ず体重を測る。
妹が作ってくれる食事を食べ、その食事の内容をノートに記入した。 

学校までの道はいつもバスを使っていたけど自転車で登校するようにした。

妹には「根気詰め過ぎ」と言われたけど、ちょっとづつ減る体重が嬉しくて仕方なかった。


美月くんと学校内で会うことはあったけど、声を掛け合うことはなかった。
ダイエットして自分に自信が出てきたら
自分の気持ちを伝えようと思った。



「ましゅまろちゃん。」

お昼休み自分の机に座り妹が作ってくれたお弁当に手を付けようとしている時
愛しい声に呼ばれた。


「み・・・つきくん・・・。」

「ちょっと一緒に来てくれる?」


目を合わせないまま美月くんが声をかける。


[・・・・・・・・・・・・・・・。」


あたしはお弁当の蓋を閉めランチバックに詰めそれを持ったまま廊下へ出た。
美月くんの手にはナイロンの白いビニール袋が下げられていた。


「こっち・・・。」


美月くんは目を合わせないまま廊下を歩きだした。
あたしはランチバックを持ったまま美月くんの後ろをついて歩いた。


階段を上り屋上へと歩いていく。

会話はなかった。