ましゅまろ


「リバウンドせずにダイエットできる目標は今の体重からの5%減を目指すの。」

「5%・・・」

「お姉体重言いたくないって言うから自分で計算してね。」

「・・・・・・うん。」

「例えば今の体重が80kgだったら5%でマイナス4kgの76kgが最初の目標。」

「うんうん。」

「これを1から2カ月にかけてやって。んで内容なんだけど・・・。」

「・・・・・・・・・。」


そう話しかけたあと妹が急に立ち上がり部屋を出ていった。
え?!内容は?!?!?

1人で動揺しているとまた部屋に入ってきたダイエットの神様。


「これ読んで。」


ノートを開くとそこにはびっしりと日付と朝昼晩と食べたもの、その日付の隣に体重が記されていた。


「・・・・・・・・・・。」

「体重とその日食べたものを記帳する事が大事。食べ過ぎ防止にもなるし、モチベーションがあがるから。」

「・・・・・続くかな・・・。」

「続かせるんだよ。むしろここが一難大事だからね?自己管理。」

「・・・・わかった。」

「次が食事だけど。食事はあたしが作るからバランスは気にしなくて良いよ。食べる順番もあるけど、それはのちのち食べながら説明するから。」

「わかった。」


ベッドに座っていた妹があぐらの体制から床に足を下ろし自然と足を組んだ。
あたしは太り過ぎて足が上手に組めない。
そんな所にも怠慢がきていたなんて。


「次が運動ね。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「別にジムとかいかなくていいから。」

「え?」


今ままで厳しくしていた妹が少し落ち着いたように話し出す。


「行かなくていいの?」

「行ってもどうせめんどくさがって行かなくなるでしょ?!」

「・・・・・・・・・・。」


妹の言葉が胸に刺さる。


「その場の勢いでジム契約しても行かなくなる人がほとんどだから。お姉は今まできつくないようにのんびり暮らしてたんだから特に。」

「・・・・・・・・・・・。」

「普段の生活ちょっと意識するだけでいいよ。」

「へ?」

「階段を使うようにしたり早歩きしたり。電車で座らないとか。姿勢をよくするとか目的の駅の1つ前で降りて歩いて目的の場所に行くとか。普段の生活からできそうなことでいいから。」

「それだけでいいの?」


妹が呆れたように睨みながらあたしを見つめ口を開く。


「今までの生活でお姉がそんな事してるの見たことないけど。」

「・・・・・わかったよ。」

「最後に規則正しい生活を心がけてください。」

「規則正しい生活?」

「朝ちゃんと起きて夜はちゃんと睡眠とって。」

「してるよ?」

「夜更かしとかしないようにね。睡眠時間が短いと食欲を増やすホルモンの分泌が増えて、食欲を抑えるホルモンの分泌が減るって言われてるから。」


背筋がゾクッとした。
ここ何日か痩せることしか考えてなくて夜あんまり寝れてなかった。


「まあとりあえずこの5つを意識すれば確実に少しは減るから。」

「わかった。」

「あとさ、大きな紙に点グラフつけるといいよ!」

「点グラフ?」

「その時は全然減ったように見えないけど、少し離れてそのグラフみてみて。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「絶対右肩下がりになるから。」


妹があたしにニッコリ笑いかける。

その日からあたしの正しいダイエット生活が始まった。