結局何も食べないまま5日がたった。
毎日計っていたが、ほとんど体重は減っていなかった。
もう意地になって断食していた。
運動もせずに食事をしなかった。
体重計に乗ると4キロと500グラム減っていた。
「や・・・やた・・・。」
フラフラになりながら体重計を降りた時に脱衣所のドアが開いた。
「・・・・・・・・・。」
「やだお姉・・・なにその顔・・・。」
「・・・・・え?」
「・・・・・・・・・・・。」
歯ブラシを加えたままの妹があたしの体を見てビックリしていた。
妹に手を引っ張られ、2階のあたしの部屋へ行った。
「・・・・・・お姉ご飯食べてる?」
「・・・・食べてない・・・。」
「はぁー。」
妹は深いため息をついて、手に持っていたスマホをあたしに向けシャッターを押した。
「ちょっと・・・なに?!」
「見て。」
妹があたしにスマホの画面を見せてきた。
「・・・・・・・・・・・。」
青白い顔、生気のない目、輪郭は細くないけどなんとなくやつれた気がする。
「・・・・・・・・・・・。」
「お姉さ、こんな顔になりたかったの?痩せたかったの?」
「・・・・・・・・・・。」
スマホの画面を見たまま顔をふるあたし。
「あたしの伝え方が悪かったのかもしれない。抜けば痩せるよって言ったからね。」
「・・・・・・・・・・。」
「そんな思い詰めてるって思わなかった。あたしは運動して、ご飯食べてるよ。食べ過ぎた時だけ軽くご飯抜いてるだけ。」
「・・・・・・・・・・。」
「ダイエットの基本は『食事』。体に必要な食材は必ず入れないと。」
「・・・・・・・・今から・・・でも大丈夫?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
自分の間違いに気が付いてどうしよって心がドキドキした。
あたしから一度目を離した妹が再び目を合わせて頷いたとき
頬を涙が流れた。



