アーサーは驚き、何も言えない様子だった。マリーは次にアーサーといた女子生徒を睨み付ける。黒髪に青い目をした綺麗な顔立ちの女子生徒だ。

「あんた、名前は？」

女子生徒を睨み付け、マリーは訊ねる。女子生徒は体を震わせながら「ルナ・キャメロンです」と答える。

「キャメロン？中流貴族じゃない。あんたごときの家柄の女が、私の婚約者に気安く声をかけてんじゃないわよ！！私のアーサーをたぶらかすつもりだったのね！！」

マリーはルナを睨み付け、ルナは目に涙を溜めて首を横に振るものの、マリーは話を聞くことなくただルナを罵倒する。

「やめるんだ、マリー！ルナは何一つ悪くない。そんなひどいことを言うのはやめてくれ」

マリーがルナを叩こうとすると、その手をアーサーに掴まれる。マリーはルナを庇うアーサーにさらに苛立ち、怒鳴った。

「何でこんな女を庇うのよ！！婚約者をたぶらかしたアバズレ女を許せるわけないでしょう！！」