今日もマリーはカトレア学園に向かい、周りの取り巻きたちを使って楽な学園での一日を終えた。荷物を持たせ、苦手な授業はサボり、授業を終えてから久々に一人になりたいと思い、教室を抜けて中庭に来ていた。

「ふう、今からお茶会でもしようかしら。お茶菓子はブリオッシュを用意してもらって……」

そんなことを呟きながらマリーは歩く。すると、中庭の奥から男女の声が聞こえてくる。

「この声って……」

マリーの胸がドクッと音を立てる。色とりどりの季節の花々が咲く美しい中庭の声のする方に歩いていくと、仲良く二人の男女が話しながら歩いているところだった。その姿を見た時、マリーの心が怒りで震える。

「アーサー、何しているの!!」

女子生徒と楽しげにしているのは、マリーの恋人であるアーサーだった。自分以外の女と楽しそうにいていることに体が怒りで震え、マリーはアーサーの頬を叩く。

「お前は私のものでしょう!!他の女と関わるなんて許さない!!」