マリーが挨拶をすると、アーサーはニコリと微笑んで「おはよう、マリー。今日も綺麗だ」と言う。褒められているというのに、マリーは不機嫌な表情になる。

「どうしたの？」

「どうされましたか？ミス・フォスター」

アーサーと取り巻きたちはマリーを見つめる。しかし、マリーは不機嫌な顔のままだ。

「アーサー、あなたは私の何？」

「君の恋人だよ」

「なら、何故あなたは私が登校して来た時に私を出迎えなかったの？ありえない」

マリーはアーサーを見下した目で睨む。その様子に取り巻きたちは顔を真っ青にする。アーサーはマリーを宥めるように肩に触れた。

「マリー、ごめんね。先生に呼ばれていたものだから行けなかったんだ」

アーサーはそう言い、何度も謝る。マリーは肩に置かれた手を振り払い、「謝って済むことじゃないわよ！」と怒鳴る。

「わ、わかったよ……。君のためにドレスと宝石を用意する」

「期待してるわ。私を満足させてね？」