小馬鹿にしたようにマリーは笑い、使用人たちは曖昧な表情をする。

周りが何をしても許してくれるため、マリーは気が付けはわがままで傲慢な性格になっていた。気に入らない相手は周りから排除し、自分の思い通りにならなければ拗ねる。そんな性格のため、使用人たちは彼女と関わる時に神経を無駄に多く使うのだ。

「マリー様、使用人全員から贈り物をさせていただいてもよろしいですか?皆でお金を出し合って買ったものなのですが」

使用人の一人がスッとマリーの横に立ち、色鮮やかな美しい花束を差し出す。様々な花が使われており、見る者を飽きさせない。

普通ならば、「ありがとう」と受け取るだろう。しかし、マリーは「何この花」と馬鹿にしたように笑い、受け取った花束を床に投げ捨てヒールで思い切り踏み付けた。美しい花たちは一瞬で折られ、ぐちゃぐちゃにされていく。

「マリー様!」

使用人たちは叫ぶような声を上げるが、マリーは冷たい目を向けるだけだった。