マリー自身が今までしてきたように、マリーは使用人たちからは見下された目を向けられる。マリーはその場から逃げるように立ち去り、アーサーの元へ行こうと玄関のドアを開けた。刹那、誰かと思いきりぶつかってしまう。

「うっ、気を付けなさいよ!!」

マリーがそう言い痛むところを押さえながら目を開けると、そこには冷たい目をしたアーサーが立っていた。その隣にはルナが立っている。

「アーサー、会いに来てくれたの?でもどうしてルナ・キャメロンと一緒なのよ……」

マリーが訊ねると、「ルナと婚約しているから」とアーサーが返す。マリーは耳を疑った。

「は?婚約?あなたと婚約しているのは私でしょ?」

私があなたの花嫁なのよ、と強く言うマリーにたいしてアーサーは変わらず冷たい目を向ける。

「勝手に言い寄ってきたから仕方なく付き合ってあげていただけだよ。断ったら学園を追い出されるかもしれないし。そもそも結納をしてないのに何で婚約者ってことになっているの?」