美しく長い金髪が結い上げられ、宝石のついた豪華で美しい髪飾りがつけられる。リボンやレースがたっぷり使われた可愛らしい黄色のドレスを着て、マリー・フォスターは微笑んでいた。緑のエメラルドのような瞳は強気な印象を与え、自信に満ちあふれている。

「ねえ、私、美しいでしょ？」

緊張したような表情で後ろに立つ使用人たちにマリーは訊ねる。使用人たちは肩をびくりと一瞬震わせた後、「はい、とてもお美しいです」と返す。それを聞いてマリーは満足げに笑った。

マリーはこの国で一番偉い貴族の娘だ。その影響は大きく、彼女が通う学園で彼女に逆らう者はいない。彼女のために作られた王国のように、マリーのためにみんなが動くのだ。

今日はマリーの十八歳の誕生日。そのため、屋敷にある大きなパーティーホールで全校生徒を招待した誕生日パーティーが開かれる。

「みんなが私にどんなプレゼントをくれるのか楽しみだわ。大したものだったら笑うだけね」