「あんな気持ち悪いもの見てよく平気でいられますね」 アイマスクをしながら、和成がこぼす。 「慣れだよ」 最強と呼ばれるコピーのギフトを持つ自分は他の魔術師と違い 絶対にこの世界から逃げられなかった。 苦しいも、気持ち悪いも、痛いも、 どんなけ泣こうと任務に連れて行かれた。 段々と慣れた頃、恐怖心が麻痺して 払うたびに、消えていく魔物の叫び声を聞くたびに 優しさみたいなものが自分からこぼれ落ちていくような気がした。