「当主としても、芦田の倅に功績をあげてもらわねば上に婚約者の変更など進言できない」 苦い顔をしながらそう言う。 「でも、北宮誉様のこと嫌いじゃないんでしょう?」 「うるさいぞ」 この人にとって想定外だったのは、北宮誉が娘に惚れていること。 この屋敷に来たのだって、娘のわがままだ。 あり得ないほど強力な結界を張って、娘を守っていた。 蜜映さんなんて呼んでおきながら、蜜映の周りに引くほどの自分の魔力を纏わせて どう考えても北宮誉は蜜映を愛している。