「あの魔力量では、今の最強と肩を並べるのは少し…」 これ以上を言えば、蜜映の父、西園寺家当主は怒るだろうと思い、蜜映の母は黙った。 「まぁ、待て。時空のギフト持ちは元来魔力が少ない」 だとしてもだ。 きっとこの人もわかっている。わかっていても、娘をやりたくないのだ。 意味のない誓約書まで書かせるほどには、娘が大事なのだ。 娘に魔力がないと知ったあの日、絶望した顔。 そして、上からの婚約の通達を見たあの辛そうな顔。