「蜜映が高校を卒業したら、結婚になる」
「はい」
目の前に出されたのは、俺が婚約式の時に書かされた誓約書だ。
しかも、魔術で違反があった場合は知らせが入るようになっている。
「ここに、無傷の誓約書があるということはお前は蜜映に手を出していないということだな」
「もちろんです」
毎日そばにいるのに、キスしかしていないし、キスだってしない日もある。
「なら良い、あと2年半。蜜映との強制的な結婚が嫌ならお前も時空のギフト持ちを探せ」
嫌じゃないなら、探さなくていいのか?
この人は、まだ俺と蜜映の距離を勘違いしている。
「上からも時空のギフト持ちの捜索は任務とされてますから、見つかるのも時間の問題でしょう」
この現状を変えるには時空のギフト持ちと俺が魔物の巣窟に退治に行くのがベスト、時空のギフト持ちを見つけることは絶対大事だ。
だけど、見つかって欲しくない。
