とは言っても、私の側にいるということは体術は上手い。
この家で扱かれただけある。
「誉がいないと外に出れないんだから、わざわざ和成がついてなくてもいいのにね」
「話し相手ってことじゃない?」
「こっちの様子聞きたくても和成他県に行ってたから、意味ないじゃない」
「はは、それは確かに」
「夏休みいつまでなの?」
まだ7月に入ったばかり。
大学ってまだあるんじゃないの。
「とりあえず、来週学期末なんで戻って、そっから2か月かな」
「わざわざ帰って来なくてよかったのに」
「俺、蜜映様担当だから」
魔力なしの彼と話すのは存外心地良い。
