最強の男からの溺愛

「行きます行きます」

諦めたような表情の蜜映をつれて、高校を出る。

「久しぶりじゃない?外出るの。どこか行きたいところあったら連れてくよ?」

「ないですよ、食材も誉が買ってきてくれるから冷蔵庫いっぱいだし」

ピザを食べながらそんな会話をする。

こんなことがなけりゃ、夏休みは海の近くの別荘でゆっくり過ごしたりできるのに

はやく人型の魔物を壊滅させないと。

「そろそろ、実家に帰りたいなとは思うけど」

ポツリとそう零される。

「俺もついて行っていいなら2、3日はなんとかなるよ。西園寺家には魔術師がたくさんいるからね」

もうすぐ夏休みだ。