「なんだあれ」
遠い方を見ながら誉が呟く。
誉がわからないのに私にわかるわけがない。
「蜜映、お前首すげぇことになってるぞ」
締め付けられていたからあざにでもなってるのだろう。
「低級の討伐任務じゃなかったのか?」
「そのはずだったんだけど、突然人型の一級以上の魔物が現れて」
落ち着いて話しているつもりだったが、誉に手を掴まれると震えが止まった。
震えてたんだ、私。
「とりあえず、高校に戻って治療してもらおう」
そう言われて、そのまま誉に抱き上げてもらう。
どうやら、立っているのもやっとだったみたいだ。
