「ギフトはもはや、血筋の伝承。今年の入学者も見たことある苗字ばかりだ」 学長はそう言いながら、一年生のリストを机に置く。 「ただ、西園寺の娘は確か魔力は持ってないのでは無かったか?」 「彼女のギフトは魔術ではありません。身体能力の特化でもない」 西園寺家といえば、だいたいは土の魔術師の産まれる家だ。 「ギフトなしが産まれたわけではなかったのか」 「しかし、特殊なギフトでして」 担任は少し、言うのをためらっているようだった。