毎度のごとく彼から食事に誘われていたが、二人で飲みに行くのは少し抵抗があり、断っていた。しかし、今回は平野くんもしつこく誘ってきて、半ば強引に了承した。


二人で居酒屋に行き、仕事やお互いの趣味など他愛のない会話をしていた。そのあと、お店から駅までの道を歩いていた時だ。突然、彼が立ち止まったので、私は彼をふりかえった。


「どうしたの?飲みすぎて気分悪くなったとか?」

「いや、そうじゃなくて、、、あの、、、」

彼の顔は少し赤い。酔っ払っているのか。
すると彼は私の目を真っ直ぐ見つめて、覚悟を決めたようにこう言った。

「おれ、入社した時からずっと、、、斉藤さんのことが好きです。俺と付き合ってください。」

「え、、、」

驚いた。正直、彼の好意に全く気づかなかった。私は、、正直彼のことを後輩としか見てこなかった。別れたとはいえ、こないだまで彼氏がいたわけだし。

「あの、わたし、、、平野くんを恋愛対象としてその、見たことなかったというか、ごめん。」

「いいんです。わかってますから。でも、斉藤さん今彼氏いないんですよね?おれ、これからは本気であなたのことおとしにいしますから。」

彼にそう宣言された。