露人くんは狂ってる。




そのまま高級レストランまで
たどり着くと2人でその店へと
入って行く……。



一般庶民の私には
想像も出来ないような
世界が広がっていて



天井には無数のシャンデリアに
一体いくらするのか分からない
高級そうな壺に花が飾られてたり
外見もだが内装まで全て綺麗で……



どんなに着飾ったって
自分が場違いなのは嫌でもわかる



そういや部長は、社長の息子だっけ……
市ヶ谷財閥の御曹司……



あれ、あまりにも鬼上司として
あの空間に溶け込みすぎてて
完全に忘れていたが……



今まで、なかなか失礼な
態度をしてこなかっただろうか?



という今更感凄い謎の
心配事まで生まれる始末。



「なんだ?西嶋?1人ずっと百面相してるが……」



「えっ、あ、いや……。社長の息子凄いなぁって……」


「はぁ?どういう意味だ?」



突然訳分からないといった感じで
眉をしかめると呆れ声を漏らす部長に
ただただ困惑するばかりの私



「いえ、何でもありません。というか……なんでまたこんなところに……?」



「へっ、あっ……えっと……。ゴホンッ……とりあえずまずは食事をだな」



今度はちゃんと普通の質問を
したつもりだったのに



突然、部長は挙動不審になる。



その態度が、この現状の謎を
益々深めていくというのにーーーーー。



ーーーーーーーーーーーーー


などと、思っていたが……



目の前に輝く高級料理を前に
そんな小さな動揺など無かったも同然



いつの間にか食べることに
夢中になっていた私に



「ふふっ」



部長は優しく笑った……。



「いま笑いました?」


「いや、西嶋の……その何でも美味しそうに食べる姿好きだなと思って」



「なんですかそれ……」



ドクンドクン


給湯室の時みたいな優しい
笑顔を見せる部長にまた
心が動揺し始める。


ほんと今日の部長といると
調子が狂うーーーーーーーー。