「え?僕は動けなくなっただけだよ?耳は聞こえるからね。ミオが泣きながら優しくしてくれたのも…
「やぁぁ…!!」
私はイチの言葉をさえぎって声を上げてもだえた。
(あれ全部聞こえてたってこと!?恥ずかしすぎる…!)
「だから、ご主人様に全部言ったよ?ミオもあんなに言ってくれてるから、って。」
「アレ、全部!?」
(それを全部ご主人様に言っちゃったの!?もう忘れたい……)
「…っ、そう、次はそれ!…家の鍵、全部締めてあったの。なによりイチ、動けなかったじゃない。しかも、イチがいなくなったとき、私はイチを探しに出かけて、イチのご主人様に会ってるんだから!」
「だって、僕もご主人様に会ったんだ。…ご主人様、僕にももう会えなくなるから、って…。だから、動けなくなるほど落ち込んだようだけど、ミオのところで良いかって聞かれたんだ。ご主人様、半分もう透明で、時間があまりないからって…」
「透明!?」
イチが言うには、ご主人様はイチがいた頃は足も悪く、寝たきりだったらしい。
ご主人様の気晴らしにと作られたイチは、いつしかしゃべり動けるようになった。イチは話し相手としてご主人様にとても喜ばれて、お手伝いさん達とともに、孫のように可愛がってもらったようだ。
しかしある日、ここを出て、ありのままのイチを好きになってくれる人のところで、役に立って生きていってほしいと言われたらしい。もちろんイチは離れたくないとゴネたらしいが、ご主人様に必死に説得されたそうだ。
「ご主人様、ミオは一人だと寂しそうに歩いてるのが多かったって。だから気になったんだって。僕と一緒にいる人がどんな相手か知りたかったから、外にいるミオをよく見てたんだって。謝っておいてほしいって言われたよ。それからね、僕をよろしくって!」
(…きっとご主人様の想いの強さがイチを動けるようにして、イチの居場所を選んで、幽霊みたいになってからも、イチと私の想いを聞きに来たんだ…たまにイチと出かける私達を見守ってたのかな…)
「…ミオ…?」
私はそっと涙を拭った。
「ご主人様に感謝しなくちゃね…!イチ、仲良くしよ…?」
「うん!…あれ?なんだか……」
イチが目をこすり始めた。
「どうしたの??」
「…ん…安心したらなんか……」
イチはさっきまで寝ていた私のベッドに体を横たえた。
「からだ…おもい……」
私はイチにすがりついた。
「イチ…?イチ!?」
するとすぐ、イチは眠ったようになって寝息を立て始めた。
「…なあんだ、イチ寝ちゃったの!……あれ??」
「やぁぁ…!!」
私はイチの言葉をさえぎって声を上げてもだえた。
(あれ全部聞こえてたってこと!?恥ずかしすぎる…!)
「だから、ご主人様に全部言ったよ?ミオもあんなに言ってくれてるから、って。」
「アレ、全部!?」
(それを全部ご主人様に言っちゃったの!?もう忘れたい……)
「…っ、そう、次はそれ!…家の鍵、全部締めてあったの。なによりイチ、動けなかったじゃない。しかも、イチがいなくなったとき、私はイチを探しに出かけて、イチのご主人様に会ってるんだから!」
「だって、僕もご主人様に会ったんだ。…ご主人様、僕にももう会えなくなるから、って…。だから、動けなくなるほど落ち込んだようだけど、ミオのところで良いかって聞かれたんだ。ご主人様、半分もう透明で、時間があまりないからって…」
「透明!?」
イチが言うには、ご主人様はイチがいた頃は足も悪く、寝たきりだったらしい。
ご主人様の気晴らしにと作られたイチは、いつしかしゃべり動けるようになった。イチは話し相手としてご主人様にとても喜ばれて、お手伝いさん達とともに、孫のように可愛がってもらったようだ。
しかしある日、ここを出て、ありのままのイチを好きになってくれる人のところで、役に立って生きていってほしいと言われたらしい。もちろんイチは離れたくないとゴネたらしいが、ご主人様に必死に説得されたそうだ。
「ご主人様、ミオは一人だと寂しそうに歩いてるのが多かったって。だから気になったんだって。僕と一緒にいる人がどんな相手か知りたかったから、外にいるミオをよく見てたんだって。謝っておいてほしいって言われたよ。それからね、僕をよろしくって!」
(…きっとご主人様の想いの強さがイチを動けるようにして、イチの居場所を選んで、幽霊みたいになってからも、イチと私の想いを聞きに来たんだ…たまにイチと出かける私達を見守ってたのかな…)
「…ミオ…?」
私はそっと涙を拭った。
「ご主人様に感謝しなくちゃね…!イチ、仲良くしよ…?」
「うん!…あれ?なんだか……」
イチが目をこすり始めた。
「どうしたの??」
「…ん…安心したらなんか……」
イチはさっきまで寝ていた私のベッドに体を横たえた。
「からだ…おもい……」
私はイチにすがりついた。
「イチ…?イチ!?」
するとすぐ、イチは眠ったようになって寝息を立て始めた。
「…なあんだ、イチ寝ちゃったの!……あれ??」



