君と一緒!

次の日も、学校とバイトが終わるとすぐに帰り、眠っているイチに話しかけた。

「ただいま…。今日ね、バイト先の先輩に告白されちゃった…。でもね、断ったよ。好きな人がいます、って…。弟みたいでたまにペットの子犬みたいで、私のそばにいたいと思ってくれる、私のことたくさん心配してくれる優しい人…私の好きな人はその人だから…。だからイチ…起きてよ……」

私はイチを抱きしめたまま泣いていた。

「イチは私の『特別』…!大好きだよ、イチ…!!イチがいてくれて、ほんとに良かった…!楽しいもん、イチとおしゃべりするの…!!起きてよ…起きてよイチ……」

「…ん……」

イチが、動いた。声が聞こえた。

「…イチ!!」

「…本当に、ミオ、泣いてた……ご主人様が言った通りだった…!!ごめんなさい、ミオ…!!」

「イチ…!!っ…ぐすっ……わ、私こそごめんね…イチに酷いこと言っちゃった…。自分のせいでイライラしてたの…」

「ご主人様が、ミオが泣いてた、って…。ミオに叱られて悲しくなって、そうしたら僕、動けなくなった…。」

「道で会ったあの人、やっぱりイチのご主人様だったんだ……え、でも、鍵をかけておいたのにイチが家から居なくなったのは…」

イチは不思議そうにした。

「僕は気づいたらご主人様と一緒だったよ。」

「え??」

「…この家に来る前、ご主人様と約束してたんだ…次に会った人の役に立てなかったら、僕はそこにはいられなくなるって…。」

「…。」
(やっぱり、ご主人様はイチが私といるのは良くないって……)

「仲良くやっているようだけど、ミオとはどうか、って聞かれた。」

「え?いつ!?」

「さっき。ミオと寝ていたでしょ?でも、気づいたらご主人様と別の場所にいたから、ミオのところにいたい、ってお願いしてたの。ご主人様言ってた。ミオは僕と一緒だと楽しそうだったって。」

「って、え…寝て…!?いや待って、ツッコミどころがありすぎて……まず、イチは私と眠ったのなんで知ってるの!?」