「っ…何よもうっ!!…きっと疲れているんだわ…」

 魔女はもうしばらくで夜明けを迎えるのに気づき、眠る支度をした。

「コウモリ!!」

 呼ばれたコウモリは、嬉しそうに彼女のそばまで来た。

「あんたは今日も抱き枕代わりよ!さっさと変身して!」

 コウモリはニカッと笑うと、闇を纏って人の姿に変わった。

「ローゼ、待っていたよ」

 細身の美男子に姿を変えたコウモリだが、彼女は気にする様子も見せず寝床に寝転んだ。

「さっさとしてっ…早く体を休めたいんだから…」

 コウモリに冷たく言い、顔を逸した。

「ローゼ……」

コウモリは悲しげに魔女を見つめ、彼女を抱きしめる。

「俺がいるよローゼ…泣かないで…」

 聞いた魔女はキッ、とコウモリを睨み付け、

「泣いてなんかないわよ!…今度こそ成功するわ!あんたは気にしないで私を抱き締めなさい!早くしないとあんたの闇の魔法が解けるんでしょ!!」

と言った。
 コウモリは頷いて、魔女を愛おしげに抱き締める。

「ローゼ…ローゼ…!!」

「っ…集中っ…しなさいよ…!早くっ…」

魔女はコウモリを無意識に強く抱きしめた。