完全に好きになる前に聞けてよかった。
そう割り切れたら、どれだけいいか…
【宮川一花side END】
【笹川将也side】
どれだけLINEを入れても既読は着くが返信が一向に来ない。
電話も繋がらないから端から端まで探すしかない。
「…もしかしたら…」
体力もあまりないって言ってたし外れて公園に避難してるのか…?
体が弱くて思うように動けないとは聴いていたけど…
行ってみる価値はあるかもしれない。
「ー…宮川さん!」
公園から宮川さんの家の方角へ走った俺。
思っていたよりすぐの場所にいてくれた宮川さん。
見つけてすぐに彼女の腕を掴んだ…その時に彼女に異変を感じた。
掴んだ腕がじんわり汗をかいていて、あまり見えないが顔も真っ青だ。
会社で倒れた時のような…
「…なんで…来たんですか。」
こちらを向かずに静かに話す宮川さん。
「…私なんかのところより笹川さんが好きな方を誘って一緒に花火見た方がいいと思いますよ。」
一緒に仕事をしてきて少し距離が縮まった気がしてた。
最初の死んだ魚のような目じゃなくて、普通に明るい女の子になってきたと思っていた。
目が少しづつ上を向いてキラキラしてきてて、俺に少し心を開いてくれたのかなって思ってた。
でも…彼女と向き合って顔を覗き込むように屈んでも彼女は一切こちらを向かない。
目を逸らして、今にも泣きそうな顔をしていた。
綺麗な目にいっぱい涙を浮かべていて…
彼女がゆっくり瞬きをした時にこぼれ落ちてしまった。
「…何か、あったの?」
「…」
涙を流している彼女はもう俺を見ずに再び歩き始める。
「…さっき…」
「え?」
「さっき、お電話してるところ聴いたんです。」
…電話…?
あっ…まさか…
『最近宮川さんとどうよ?!付き合えそうなの?』
『お前にしてはかなり手こずってるな、苦戦中?
好きな子こそなかなか振り向いてくれないよなー』
『最初はいつもみたいにゲームだったのになあ、いつのまにかお前本気になってるからなー
もうゲームのノリじゃねえのな』
ー…これに対する受け答えを聞かれてたか…
確かに受け答えだけ聞くと最低みたいだよなあ…
「宮川さん!あれは違うよ!
俺は本気で…」
「いえ、もう結構です。
笹川さんのことは良い先輩としてこれからもよろしくお願いします。」
前みたいに、気持ちを言おうとすると被されてしまう俺。
このまま、彼女への気持ちを伝えられずに嫌われたまま…?
…これ以上嫌われるのは、いやだ…
けど弁解はしたい。
弁解して誤解を解いて謝りたい…
謝って、告白して、あわよくば…
そう割り切れたら、どれだけいいか…
【宮川一花side END】
【笹川将也side】
どれだけLINEを入れても既読は着くが返信が一向に来ない。
電話も繋がらないから端から端まで探すしかない。
「…もしかしたら…」
体力もあまりないって言ってたし外れて公園に避難してるのか…?
体が弱くて思うように動けないとは聴いていたけど…
行ってみる価値はあるかもしれない。
「ー…宮川さん!」
公園から宮川さんの家の方角へ走った俺。
思っていたよりすぐの場所にいてくれた宮川さん。
見つけてすぐに彼女の腕を掴んだ…その時に彼女に異変を感じた。
掴んだ腕がじんわり汗をかいていて、あまり見えないが顔も真っ青だ。
会社で倒れた時のような…
「…なんで…来たんですか。」
こちらを向かずに静かに話す宮川さん。
「…私なんかのところより笹川さんが好きな方を誘って一緒に花火見た方がいいと思いますよ。」
一緒に仕事をしてきて少し距離が縮まった気がしてた。
最初の死んだ魚のような目じゃなくて、普通に明るい女の子になってきたと思っていた。
目が少しづつ上を向いてキラキラしてきてて、俺に少し心を開いてくれたのかなって思ってた。
でも…彼女と向き合って顔を覗き込むように屈んでも彼女は一切こちらを向かない。
目を逸らして、今にも泣きそうな顔をしていた。
綺麗な目にいっぱい涙を浮かべていて…
彼女がゆっくり瞬きをした時にこぼれ落ちてしまった。
「…何か、あったの?」
「…」
涙を流している彼女はもう俺を見ずに再び歩き始める。
「…さっき…」
「え?」
「さっき、お電話してるところ聴いたんです。」
…電話…?
あっ…まさか…
『最近宮川さんとどうよ?!付き合えそうなの?』
『お前にしてはかなり手こずってるな、苦戦中?
好きな子こそなかなか振り向いてくれないよなー』
『最初はいつもみたいにゲームだったのになあ、いつのまにかお前本気になってるからなー
もうゲームのノリじゃねえのな』
ー…これに対する受け答えを聞かれてたか…
確かに受け答えだけ聞くと最低みたいだよなあ…
「宮川さん!あれは違うよ!
俺は本気で…」
「いえ、もう結構です。
笹川さんのことは良い先輩としてこれからもよろしくお願いします。」
前みたいに、気持ちを言おうとすると被されてしまう俺。
このまま、彼女への気持ちを伝えられずに嫌われたまま…?
…これ以上嫌われるのは、いやだ…
けど弁解はしたい。
弁解して誤解を解いて謝りたい…
謝って、告白して、あわよくば…
