勇太が天国に行って2年経った今でも私はこの恋を終わらせられない。
『僕が働いて収入も安定してお金持ちになったら、一花は嬉しい?』
『うーん…お金持ちじゃなくても私も働くし…
勇太がいてくれるだけでいいかなあ』
『じゃあ僕の収入安定したら結婚してくれる?』
…結局収入安定する前に勇太は死んでしまったけれど…
大手の企業に就職が決まってお祝いでお出かけ行ってレストランに行った帰りだったんだ。
あの事故が起きたのは…
「…だめだなあ私…」
いつまでも自己嫌悪から抜け出せない。
「私も時期に勇太のところへ行くから…
その時まで待っててね…」
私は元々そこまで人と話すことが得意ではない。
むしろ人見知りでコミュニケーション能力がかなり低い。
病弱でどうせ近いうちに死ぬと思っていたから友達も少なくて必要最低限の会話しかしてこなかった私。
そんな私に明るく話しかけてくれたのが勇太だった。
『僕澤田勇太って言うんだ。これからよろしくね。』
保健室登校することの方が多く、教室に行くことすらあまりなかった私にとって小学生の頃から話してくれていた勇太は優しくて思いやりのある男の子だった。
『…宮川一花…よろしく』
勇太も少し病弱で私ほどではないけどあまり激しく運動してはならない体だった。
「…勇太、大好き」
こんなに人を愛せたのも勇太が私に愛をくれたから。
まっすぐで直向きな、愛を。
『一花、僕一花が好きなんだ。
一花の病気のことも全て理解しているし、一緒に乗り越えて行けたらいいなと思ってる。
一花さえよければ、僕と恋人になってくれないかな?
』
…今まで何度も告白はされてきてその度にお断りしてきたけれど、あの真剣でまっすぐな目に吸い寄せられてすぐに恋人になった。
思えば13歳から19歳までの6年間ずっと恋人同士でいたんだな…
稀に喧嘩もしたけれど、勇太が私に合わせてくれて、私も勇太に寄り添って…
いずれ結婚すると思ってた人だった。
「…私がそっちに行ったら…今度こそ2人で暮らそう。」
それまで待っててほしい。
私は…勇太以上に大切な人なんて作れない気がするから…
失う辛さを知っているから…
もう誰も失いたくない…
「…また、くるね。」
お墓の近くにある時計台から18時のチャイムが聞こえる。
本来なら、定時の時間だ。
「…笹川さん、仕事終わってるのかな…」
墓地の出口に向かいながら私は空を見上げる。
終わらなさすぎて頭を抱えている笹川さんが想像できる。
…体落ち着いてるし、様子見に行ってみようかな。
【宮川一花side END】
【笹川将也side】
…篠原さんが帰るまで全く自分の仕事ができなかった…
ある程度宮川さんが片付けてくれて行ったけどこれじゃ、俺の仕事が終わらない…
「…あ、笹川さん。お疲れ様です。」
突如声がして振り返ると帰ったはずの宮川さん。
体調崩して帰ったはずじゃ…
かなりしんどそうだったけど…
「どうせ定刻まで篠原さんにつききりだったんでしょう。」
つききりで面倒見ることが宮川さんに何もしない条件だって言われたら、従うしかない。
俺の首が飛んだところで全く会社に損害はない。
『僕が働いて収入も安定してお金持ちになったら、一花は嬉しい?』
『うーん…お金持ちじゃなくても私も働くし…
勇太がいてくれるだけでいいかなあ』
『じゃあ僕の収入安定したら結婚してくれる?』
…結局収入安定する前に勇太は死んでしまったけれど…
大手の企業に就職が決まってお祝いでお出かけ行ってレストランに行った帰りだったんだ。
あの事故が起きたのは…
「…だめだなあ私…」
いつまでも自己嫌悪から抜け出せない。
「私も時期に勇太のところへ行くから…
その時まで待っててね…」
私は元々そこまで人と話すことが得意ではない。
むしろ人見知りでコミュニケーション能力がかなり低い。
病弱でどうせ近いうちに死ぬと思っていたから友達も少なくて必要最低限の会話しかしてこなかった私。
そんな私に明るく話しかけてくれたのが勇太だった。
『僕澤田勇太って言うんだ。これからよろしくね。』
保健室登校することの方が多く、教室に行くことすらあまりなかった私にとって小学生の頃から話してくれていた勇太は優しくて思いやりのある男の子だった。
『…宮川一花…よろしく』
勇太も少し病弱で私ほどではないけどあまり激しく運動してはならない体だった。
「…勇太、大好き」
こんなに人を愛せたのも勇太が私に愛をくれたから。
まっすぐで直向きな、愛を。
『一花、僕一花が好きなんだ。
一花の病気のことも全て理解しているし、一緒に乗り越えて行けたらいいなと思ってる。
一花さえよければ、僕と恋人になってくれないかな?
』
…今まで何度も告白はされてきてその度にお断りしてきたけれど、あの真剣でまっすぐな目に吸い寄せられてすぐに恋人になった。
思えば13歳から19歳までの6年間ずっと恋人同士でいたんだな…
稀に喧嘩もしたけれど、勇太が私に合わせてくれて、私も勇太に寄り添って…
いずれ結婚すると思ってた人だった。
「…私がそっちに行ったら…今度こそ2人で暮らそう。」
それまで待っててほしい。
私は…勇太以上に大切な人なんて作れない気がするから…
失う辛さを知っているから…
もう誰も失いたくない…
「…また、くるね。」
お墓の近くにある時計台から18時のチャイムが聞こえる。
本来なら、定時の時間だ。
「…笹川さん、仕事終わってるのかな…」
墓地の出口に向かいながら私は空を見上げる。
終わらなさすぎて頭を抱えている笹川さんが想像できる。
…体落ち着いてるし、様子見に行ってみようかな。
【宮川一花side END】
【笹川将也side】
…篠原さんが帰るまで全く自分の仕事ができなかった…
ある程度宮川さんが片付けてくれて行ったけどこれじゃ、俺の仕事が終わらない…
「…あ、笹川さん。お疲れ様です。」
突如声がして振り返ると帰ったはずの宮川さん。
体調崩して帰ったはずじゃ…
かなりしんどそうだったけど…
「どうせ定刻まで篠原さんにつききりだったんでしょう。」
つききりで面倒見ることが宮川さんに何もしない条件だって言われたら、従うしかない。
俺の首が飛んだところで全く会社に損害はない。
