どうして俺はここまで仕事ができないんだ…
「俺の説明や教え方でわからなければここにいる宮川さんに聞いてもらってもいいからね。
宮川さんも最近入社したばかりだけど俺以上に仕事ができる優秀な人だから。」
宮川さんは‘私に話を振らないで’とでもいいたげな顔を一瞬俺に向けたが少し会釈して挨拶した。
「宮川です。あまり人と関わることがなく、1人でいることが多いのでいつでも聞きにきてください。わかる範囲なら答えます。」
恐らく宮川さんはこの部署で一番といって良いほど仕事ができる。
総務課のエースは誰だと言われれば恐らく殆どの人が彼女だと言うだろう。
「宮川さん」
「はい。」
「このデスマーチが終わったらまたドライブにでも行こうよ。」
少し考えてから宮川さんは真っ直ぐ俺を見た。
「構いませんけど、お隣の篠原さんにしっかり教育してください。
私もできるだけフォローしますので。」
そう言って宮川さんは自分のデスクに戻り今日の仕事を始めた。
俺のデスクに残っている仕事もやりつつ自分の仕事に重要な書類がないことをしっかり確認した上で付箋を貼りつつミスもない完璧な仕事を。
俺のデスクにある仕事も目を通してわかりやすく付箋にメモをして早急の仕事は一旦上に上げておいてくれた。
「じゃあ篠原さん早速だけど、総務の経験はあるかな?」
「えーっとお、莉里ずっとお仕事は接客だったからあ…」
この間延びした話し方をする子ともよく遊んでいたけど…
宮川さんと関わるようになってからは一切遊ばなくなったなあ…
最初落としてみたいって思ってたけど気づけば俺の方が彼女に惚れているのかもしれない。
「ところで笹川さんってえ、彼女とかいるんですかあ?」
「今は仕事中だから、プライベートの話はまたあとでね。」
ニコッと笑顔でそれとなく断ると篠原さんは宮川さんを一瞥した。
多分だけど俺、恐らく篠原さんにロックオンされた。
「ふーん…じゃあ莉里と付き合う??
パパに言えば笹川さんの立場だって上げてくれるかもよ?」
篠原部長は所謂賄賂出世だ。
でも俺は賄賂を使ってまで上に登りたいなんて思ってない。
しっかり仕事をこなして、徐々に上に登れたらそれはそれで万々歳だけど生憎俺は仕事があまりできない。
宮川さんをみていたらよくわかる。
彼女と比べたら俺は全く仕事ができない。
「折角のお誘いだけど俺は自分の力で上を狙うよ。」
こういう子にはそれとなく断るのが1番だ。
はっきり断るとあとで逆恨みされる。
今までの俺の経験がそう言っている。
「莉里、パパに言って宮川さんをクビにしてもらうこともできるんだけどなあ?」
宮川さんをクビになんてしたら今の総務課がかなりダメージを負う。
それくらい彼女はみんなの仕事を覚えて助けてくれているんだ。
だからクビにされるのは…かなり困る。
「…何が望みかな?」
諦めた俺は宮川さんを守るために篠原さんの希望を聞くことにした。
彼女はニコッと笑顔でこう言った。
「莉里と付き合って。」
【笹川将也side END】
【宮川一花side】
会社の中を案内されている篠原さん。
入社してきて以降、私が彼女に話しかけられたことはない。
「俺の説明や教え方でわからなければここにいる宮川さんに聞いてもらってもいいからね。
宮川さんも最近入社したばかりだけど俺以上に仕事ができる優秀な人だから。」
宮川さんは‘私に話を振らないで’とでもいいたげな顔を一瞬俺に向けたが少し会釈して挨拶した。
「宮川です。あまり人と関わることがなく、1人でいることが多いのでいつでも聞きにきてください。わかる範囲なら答えます。」
恐らく宮川さんはこの部署で一番といって良いほど仕事ができる。
総務課のエースは誰だと言われれば恐らく殆どの人が彼女だと言うだろう。
「宮川さん」
「はい。」
「このデスマーチが終わったらまたドライブにでも行こうよ。」
少し考えてから宮川さんは真っ直ぐ俺を見た。
「構いませんけど、お隣の篠原さんにしっかり教育してください。
私もできるだけフォローしますので。」
そう言って宮川さんは自分のデスクに戻り今日の仕事を始めた。
俺のデスクに残っている仕事もやりつつ自分の仕事に重要な書類がないことをしっかり確認した上で付箋を貼りつつミスもない完璧な仕事を。
俺のデスクにある仕事も目を通してわかりやすく付箋にメモをして早急の仕事は一旦上に上げておいてくれた。
「じゃあ篠原さん早速だけど、総務の経験はあるかな?」
「えーっとお、莉里ずっとお仕事は接客だったからあ…」
この間延びした話し方をする子ともよく遊んでいたけど…
宮川さんと関わるようになってからは一切遊ばなくなったなあ…
最初落としてみたいって思ってたけど気づけば俺の方が彼女に惚れているのかもしれない。
「ところで笹川さんってえ、彼女とかいるんですかあ?」
「今は仕事中だから、プライベートの話はまたあとでね。」
ニコッと笑顔でそれとなく断ると篠原さんは宮川さんを一瞥した。
多分だけど俺、恐らく篠原さんにロックオンされた。
「ふーん…じゃあ莉里と付き合う??
パパに言えば笹川さんの立場だって上げてくれるかもよ?」
篠原部長は所謂賄賂出世だ。
でも俺は賄賂を使ってまで上に登りたいなんて思ってない。
しっかり仕事をこなして、徐々に上に登れたらそれはそれで万々歳だけど生憎俺は仕事があまりできない。
宮川さんをみていたらよくわかる。
彼女と比べたら俺は全く仕事ができない。
「折角のお誘いだけど俺は自分の力で上を狙うよ。」
こういう子にはそれとなく断るのが1番だ。
はっきり断るとあとで逆恨みされる。
今までの俺の経験がそう言っている。
「莉里、パパに言って宮川さんをクビにしてもらうこともできるんだけどなあ?」
宮川さんをクビになんてしたら今の総務課がかなりダメージを負う。
それくらい彼女はみんなの仕事を覚えて助けてくれているんだ。
だからクビにされるのは…かなり困る。
「…何が望みかな?」
諦めた俺は宮川さんを守るために篠原さんの希望を聞くことにした。
彼女はニコッと笑顔でこう言った。
「莉里と付き合って。」
【笹川将也side END】
【宮川一花side】
会社の中を案内されている篠原さん。
入社してきて以降、私が彼女に話しかけられたことはない。
